コロナ禍において、医師と患者が別の場所にいても診察可能な「オンライン診療」における注目度が高まっています。
オンライン診療とは、皆さまがお持ちのスマートフォンやPCを使って、オンライン上でいつもの問診や診察を行う診察方法です。
少子高齢化の進行で、クリニックへの通院に苦労する高齢者が増加する可能性が高いです。
今回は、需要の高まりが予想されるオンライン診療についてお伝えしていきます。
オンライン診療のメリット
患者だけでなく、医師や医療機関にもメリットがあります。
【患者メリット】
（1）通院時間における負担を軽減
学校や仕事が忙しいため日中に通院することが難しい方、ケガのため移動が困難の方、近隣に医療機関がない方は、移動する労力や移動費の負担を減らすことができます。
（2）診察を受ける時間や場所にしばられない
スマートフォンやPC環境が整っていれば、あらゆる場所にいても診察を受けられます。
またネット予約を利用することにより、24時間いつでも予約をすることができます。
（3）他の患者と顔を合わせることがない
心理的負担のある症状やお悩みを抱えている方は、通院をすることが億劫または通院に踏み切れない方もいらっしゃいます。
オンライン診療を利用すれば、基本的に医師と1対1のやりとりになるので、上記のような負担を避けることができます。
またコロナ禍においては、他の患者が同じ空間にいることでの院内感染や二次感染の心配もありません。
（4）診察後の会計にかかる時間がなくなる
診察サービスやアプリによっては、オンラインでクレジットカード等を使って決済することができます。
（5）住む場所が変わっても同じ医療機関で診察を受けられる
引越しや転勤、自分の症状に詳しい専門家が近くにいないという悩みがあって、オンライン診療を受けられる方も多数いらっしゃいます。
【医師・医療機関メリット】
（1）診察における質の向上につながる
・患者とのコミュニケーション回数が増える
・通院や治療の継続率を高める
服薬アドヒアランス(*1)の向上により、継続治療率が向上した研究結果もあります。
適切な診察により治療が見込めるが、忙しく継続した治療ができない患者へ診療が届けられます。
・事前問診で診療方針が立てやすい
（2）クリニックの内装に自由が利きやすい
オンライン診療を主とした診療方針であれば、クリニックに来院する方の待合スペースが不要となります。
待合スペースにあたる空間の代わりに、別の諸室を作るといったことが可能です。
また診察スペースを確保さえできれば、クリニックにかかる面積が思うようにとれなくても経営することができるはずです。
次回はオンライン診療の今後とデメリットについてご紹介いたします。
オンライン診療についての現状を知りたい方は、厚生労働省Webサイトをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/rinsyo/index_00010.html (クリックで新規ウインドウが開きます)
*1服薬アドヒアランス・・・患者が自分自身の病気を受け入れ、医師の指示に従って積極的に薬を用いた治療を受けること
